福岡地方裁判所 昭和47年(ワ)853号 判決 1974年11月19日
原告
花田真澄
ほか一名
被告
福岡県
主文
一 被告は
原告花田真澄に対し金六〇万〇五九〇円及び内金五五万〇五九〇円については昭和四六年一二月一三日から、残金五万円については同四九年一一月二〇日から各支払済まで年五分の割合による金員を
同花田幸子に対し金五二万〇五九〇円及び内金四七万〇五九〇円については昭和四六年一二月一三日から、残金五万円については同四九年一一月二〇日から各支払済まで同割合による金員を
各支払え。
二 原告らのその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを一〇分し、その一を被告の負担としその余は原告らの負担とする。
四 この判決は一項に限り仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 原告ら
1 被告は原告花田真澄に対し金六八八万二、〇〇〇円、同花田幸子に対し金六六八万二〇〇〇円及び右各金員に対する昭和四六年一二月一三日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 1項につき仮執行の宣言
二 被告
1 原告らの請求はいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
第二当事者の主張
一 請求原因
1 事故の発生
被害者訴外亡花田浩二は、昭和四六年一二月一三日午後三時五五分頃、自動二輪車(排気量二五〇CC)を運転して、福岡市東区箱崎原田三丁目一四一五番地先県道を多田羅方面から箱崎方面へ向け進行中、右側へ横転し、自車右側を併進中の訴外百田政年運転の大型ダンプカー(福岡一さ七二九七号)の左後輪し轢過され、頭蓋底骨折により死亡した。
2 事故の原因
(一) 本件事故現場の道路の両側には側溝が設けられており、被害者が横転した地点には、左側の路地へ渡るため側溝に七個のコンクリート製の蓋がかけられてあつたのであるが、その内被害者の進行方向から見て手前の三個の蓋は約七センチメートル道路にはみ出しており、しかもその上面はその厚さ分(約一二センチメートル)だけ道路面より高くなつていた。
(二) 事故当時、本件道路には被害車の進行方向に向つて車両が渋滞しており、時速一〇ないし一五キロメートルで小刻みに進行していたのであるが、被害者は渋滞した車両の列の左側の道路側端に沿つて前記側溝の蓋の設置してある地点まで進行して来たところ、自車下部の補助スタンド左側先端が同側溝の蓋の上面に接触したためバランスを失ない、右側へ横転し、併進していた前記ダンプカーに轢過されたものである。
3 被告の責任
本件事故現場の道路は被告の管理する道路であり、側溝は右道路の付属施設である。ところで、側溝に蓋を設置する場合には、交通の安全を確保するため、側溝に蓋掛りをつけて蓋の上面が道路面と同じ高さになるように設置すべきであるのに、被害車が横転した地点の側溝の蓋は前記のような状態に設置ないし放置されていた。この点は被告の道路の設置又は管理に瑕疵があつたものというべきであるから、被告は、国家賠償法二条一項に基づき、本件事故による損害を賠償する責任がある。
4 損害
(一) 被害者の逸失利益
被害者は死亡当時一七才であつたから、その稼働可能年数は一八才から六五才までの四八年間と考えられ、その間に少なくとも昭和四四年度賃金センサスによる高等学校卒業者の年令区分別平均賃金以上の収入を得られたはずである。そこで右収入から被害者の生活費として五割を減じ、ホフマン式計算により中間利息を控除して被害者の逸失利益の現価額を算出すると、別表(一)の計算表記載のとおり、金一、一〇一万四、〇〇〇円(一、〇〇〇円未満切捨て)となる。
(二) 被害者の慰藉料
被害者の慰藉料は金三〇〇万円を下らない。
(三) 原告らの慰藉料
原告らは被害者の父母であり、その慰藉料は各自金一〇〇万円を下らない。
(四) 葬祭費
原告花田真澄は、被害者の葬祭費として、金二〇万円を下らない出費を余儀なくされた。
(五) 弁護士費用
原告らはその訴訟代理人らに対し本件訴訟を委任し、着手金として各自金七万五、〇〇〇円を支払い、成功報酬として各自金六〇万円を支払う旨約した。右金額は本件事故による損害である。
(六) 原告らは、被害者の前記(一)(二)の損害賠償請求権一、四〇一万四、〇〇〇円を法定相続分にしたがい二分の一宛相続により承継したので、(三)ないし(五)と合わせて、結局、原告花田真澄の損害額は金八八八万二、〇〇〇円、同花田幸子のそれは金八六八万二、〇〇〇円となる。
5 損害の填補
原告らは、本件事故による損害賠償として、自賠責保険より金四〇〇万円の支払を受けたので、これを前記損害額に各二〇〇万円宛充当した。
6 よつて、被告に対し原告花田真澄は金六八八万二、〇〇〇円、同花田幸子は金六六八万二、〇〇〇円及び右各金員に対する本件事故発生の日である昭和四六年一二月一三日から支払済に至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求原因に対する被告の認否及び主張
1 請求原因1記載の事実は認める。
2 同2の(一)記載の事実は認めるか、(二)記載の事実は争う。原告らの主張する補助スタンドは地上から一五・五センチメートルの高さにあり、側溝の蓋の高さは一二センチメートルであるから、補助スタンドが側溝の蓋に接触することは先ずありえない。被害者は、併進中のダンプカーの左側の道路幅がわずか六〇~七〇センチメートルしかないのに、無理に最大車幅八二センチメートルもある自動二輪車を運転して右ダンプカーの左脇を通り抜けようとしたため、バランスを失なつて横転したにすぎない。
3 同3記載の事実のうち、本件事故現場の道路が被告の管理する道路であることは認めるが、その余の点は争う。本件で問題となつている三個の側溝の蓋は被告が設置したものではないから、被告が本件事故について道路設置上の瑕疵を理由に責任を負うべきいわれはない。また、側溝の蓋の設置方法については道路法にはもちろん、同法三〇条に基づき制定された道路構造令にもその規制がなく、技術上の問題として行政の裁量に委ねられているところである。もつとも道路法二九条には、道路の構造は安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならないと定めているが、その趣旨は道路の設置管理者に完全無欠な安全性の確保を義務づけるものではなく、道路利用者の協力を得ることを前提として、安全性の確保の必要性を考慮すべきものというべきである。ところで、本件で問題となつている側溝の蓋は、通常は車両が通行することが考えられない路肩上にあり、しかもその状況はかなり手前から見通すことができるのであるから、通常の走行においてはこれは全く支障とならず、また路肩部分を通行しなければならない場合でもその部分を回避して走行することは十分可能である。これらの点を考慮すれば、右側溝の蓋が原告ら主張のような状態に設置または放置されていたことをもつて、道路の設置または管理上の瑕疵ということはできない。
仮にそうでないとしても、前記のように、被害者は無理な割込み運転を行ない、しかも相当手前から本件側溝の蓋の状況を見通すことができたのに、路肩部分を進行して来たために自車のバランスを失ない、右蓋に自車を接触させて横転したものであるから、この点で被害者には重大な過失があり、したがつて、側溝の蓋の設置または管理の瑕疵と本件事故発生との間には因果関係がない。
また仮に右因果関係が認められるとしても、損害の算定に当つては、被害者の右過失を考慮すべきである。
4 同4記載の事実のうち、原告らが被害者の父母であることは認めるが、その余はすべて争う。
5 同5記載の事実は認める。
三 被告の過失相殺の主張に対する原告らの答弁
すべて争う。被害者において事前に本件側溝の蓋の状況を認識することができたとしても、これが運転上危険なものであると判断することは不可能である。また、ダンプカーの左側の道路幅は七〇~八〇センチメートルあつたのであり、自動二輪車が通過するには十分であつたし、ダンプカーの速度は速くとも毎時一五キロメートルくらいであつたから、その左側を追い抜こうとすることは決して無謀な割込み運転とはいえない。
第三証拠関係〔略〕
理由
一 請求原因1及び2の(一)記載の各事実は当事者間に争いがない。
二 ところで、原告らは、被害者の運転する自動二輪車が請求原因2の(一)記載の側溝の蓋に接触して横転したと主張するので、この点について検討するに、〔証拠略〕を総合すると、以下の各事実を認めることができる。
1 本件事故現場の道路は歩車道の区別がなく、その幅員は、被害者が横転した地点から多田羅方面へ約四六・二五メートル隔てた地点では一一・九五メートルであるが、同地点から箱崎方面へ進むにつれて徐々に狭くなり、被害者が横転した地点では、七・六〇メートルになつている。右道路の左端には排水用の側溝(幅三六センチメートル)が設けられているが、これには所々にしか蓋がかけられていない。
2 事故当事、右道路には箱崎方面に向つて車両が渋滞しており、車両の列が時速約一〇キロメートル前後で小刻みに移動していた。被害者は自動二輪車を運転して渋滞した車両の列の左側を道路左側端に沿つて進行して行き、横転した地点に至つた。被害者は同地点に至る直前に普通乗用車を二台追い抜き、同地点で大型ダンプカーと併進する状態となつたのであるが、右大型ダンプカーの左側の道路の余地は幅約七〇センチメートル前後であつた。また、被害者が横転する直前に、右大型ダンプカーはやや速度を増して進行しはじめたところであつた。
3 被害者が横転した地点のすぐ左脇の側溝には七個のコンクリート製の蓋がかけられていて、その内被害者の進行方向から見て手前の三個の蓋は約七センチメートル道路にはみ出しており、しかも蓋の厚さ分の一二センチメートルだけ路面より高くなつていた(この点は当事者間に争いがない。)。被害者は、右側溝の蓋のところまで進行して来たとき、手前から三枚目の蓋の手前の角のあたりに自車の前輪を当てたため車体ごと左に傾き、さらに次には右に傾いてそのまま横転した。事故直後、警察官が現場検証した際、手前から一枚目と二枚目の蓋の道路側の部分に、何か硬い物で削つた様な一条の真新しい擦過痕が認められ、また被害者が運転していた自動二輪車の下部の補助スタンドの取付部分にも真新しい傷が認められた。
4 右自動二輪車の最大横幅はハンドル部分で八二センチメートルあり、また車体の最下部は補助スタンド取付部分で、新車の場合に体重六〇キログラムの人が乗車すると、その高さは一四センチメートルであり、車両の使用程度により、スプリングが疲労するためその高さはより低くなりうる。本件自動二輪車は、原告花田真澄が事故発生の年の四月ごろ買入れた中古車であり、購入時に既に約六〇〇〇キロメートル走行した車両であつた。また、被害者の体重は約六〇キログラムであつた。
以上に認定した事実を総合して判断すると、被害者は、横転した地点で大型ダンプカーの左側に進んだ際、その左側の道路幅が約七〇センチメートル前後しかなく、自車の幅が八二センチメートルもあつたため、側溝の直近付近を進行しなければならなくなつていたうえ、速度も時速約一〇キロメートル前後の低速であり、大型ダンプカーも速度を増して進行し始めたところであつたため、自車のバランスを失ない、やや左に傾きハンドルをやや左に切つたところ、前輪を三枚目の蓋に当て、それと同時に自車下部の補助スタンドが一・二枚目の蓋に接触したため、そのはずみで今度は右に大きく傾き、そのまま右に横転したものと推認することができる。
被告は、本件自動二輪車の構造上、補助スタンドの取付部分が側溝の蓋に接触することはあり得ないと主張するが、右補助スタンドの取付部分と側溝の蓋の間隙は、前記認定のように新車に体重六〇キログラムの人が乗り、車体を垂直にした状態でもわずか二センチメートルしかないのであるから、スプリングの疲労度やタイヤの空気圧の程度及び車体の傾き具合等を考れば、これが接触する可能性は十分考えられるのである
三 次に被告の責任について判断する。本件事故現場の道路が被告の管理する道路であること、被害者が横転した地点の側溝の蓋が原告ら主張のような状況であつたことは当事者間に争いがない。そして、道路法三〇条によれば、排水施設も道路の構造の一部と考えられているのであるから、側溝の設置及び管理についても道路管理者である被告の責任下にあることは明らかである。そこで、原告ら主張のような状況に側溝の蓋が設置されていた点が道路の瑕疵といえるか否かについて検討する。〔証拠略〕によると、本件側溝の蓋が道路上に約七センチメートルはみ出しているといつても、それは路肩上にはみ出しているにすぎず、またその状況は昼間であれば相当手前からも認識することができることが認められる。ところで、路肩は通常走行車両が使用する道路区分ではなく、また本件事故の発生時が昼間であつたことを考えると、本件の程度の側溝の蓋の設置状況をもつて直ちに道路の瑕疵といい得るかは疑問のあるところである。しかしながら、〔証拠略〕によると、本件事故現場の道路は交通量が多く、事故現場から箱崎方面へ少し行つたところに踏切があるため、同方面へ向う車両が渋滞しがちであることが認められる。そして、車両が普通に流れている場合は別としても、それが渋滞する場合には、二輪車は小回りがきく便利さから路肩付近に寄つて渋滞した車両の列を追い抜いて行くことはよくあることであり、特に前項1で認定した道路の状況から考えれば、本件道路の左側端、側溝蓋がはみ出ている部分は路肩上ではあつても二輪車等が通行することは当然予想し得るところである。そうである以上、路肩といえども、二輪車の通行の安全を確保するに足る程度の状態が保たれねばならないものというべきであり、請求の原因2の(一)のとおり路面より高く側溝蓋をはみ出させておくことは極めて危険といわねばならず、この場合、路肩の通行の当、不当は右危険性の有無とは関係がない。また、本件側溝の蓋の設置状況は相当手前から認識し得るとしても、低速でその側を通過しようとする場合必ずしもこれが危険であると即断することはできず、突嗟の判断で道路端に寄らねばならない時などはいつそう困難であると考えられる。そうすると、被害者が横転した地点の側溝に蓋を設置する必要があつたか否かは別としても、その必要があれば、蓋を道路面と同じ高さに設置すべきであるし、その必要がなければ、本件のような状態に設置された蓋は直ちに撤去する必要があるというべきである。以上の認定判断を総合すれば、被害者が横転した地点の道路には、少くとも二輪車の通行の危険を招来しうる瑕疵があつたということができる。
ところで、被告は本件側溝の蓋を設置したことはないと主張し、〔証拠略〕によると右主張を認めることができるが、〔証拠略〕によると、右側溝の蓋は、本件事故の直前に設置されたものとは考えられず、相当以前から事故当時のような状態で設置されていたものと推認でき、また、被告は、事故当時、道路工士という職員を置き、各人の担当区域を決めて、その管理下の道路の監視及び維持を行なつていたことが認められるから、被告は、少なくとも道路の管理上の瑕疵について責任を免れない。
なお、被告は側溝の蓋の設置方法については何ら法的規制がなく、技術上の問題として行政裁量に委ねられていると主張するが、この点は、道路の瑕疵の有無についての判断には直接関係がない。
また、被告は、本件事故の発生については被害者に重大な過失があつたから、本件道路の瑕疵と事故との間には因果関係がないと主張するのであるが、本件事故は、前記認定のように、本件道路の瑕疵の存在が重要な原因の一つとなつて発生したものであるから、被害者に重過失があるとの一事をもつて右因果関係を否定することはできず、右事由は単に被告の責任の程度を減殺する理由となるにすぎないものというべきるある。ところで、被害者は、前記認定のように、車幅が八二センチメートルもある自動二輪車を運転してその余地がわずか七〇センチメートル前後しかない大型ダンプカーの左脇の路肩部分に割込んだため、自車のバランスを失なつて前示側溝の蓋に自車下部を接触させ横転したものであり、その時の速度が極めて低速であつたにしても、右運転方法には重大な過失があるといわざるを得ない。そして、右被害者の過失の本件事故発生に対する寄与率は、前記認定の本件道路の瑕疵の程度と対比すると、少なくとも六割を下らないものと判断するのが相当であるから、本件事故についての被告の責任は、右被害者の過失の程度に応じて減殺されてしかるべきである。
四 そこでつぎに本件事故による原告らの損害について判断する。
1 被害者の逸失利益
〔証拠略〕によると、被害者は死亡当時満一七才一か月(昭和二九年一一月一二日生)の健康な男子であり、福岡第一高等学校二年生であつたことが認められるから、被害者は少なくとも満一八才から六五才までの間就労することが可能であつたと考えられ、その間に少なくとも昭和四四年における高等学校卒業男子の年令別全国全産業労働者の平均賃金に相当する収入を得られたであろうと推認できる。そして、右収入から被害者の生活費としてその五割を減じ、中間利息の控除方法としては年五分の利率によるライプニツツ方式を採用するのが相当であるから、これらを基礎に計算すると、被害者の逸失利益の総額は別表(二)の計算表記載のとおり金七三五万二九五二円となる。そして、原告らが被害者の父母であることは当事者間に争いがないから、原告らは被害者の右逸失利益相当額の損害賠償請求権を二分の一(三六七万六四七六円)宛相続により取得したものといえる。
2 原告らの慰藉料
本件事故の態様、その結果、被害者の年令及びその他諸般の事情を考慮すると、原告らの各自の慰藉料は金二五〇万円が相当である。なお、被害者自身の慰藉料については、原告ら各自の慰藉料の算定に含めて考慮したから、これは認めない。
3 葬儀費用
被害者の死亡により、その父である原告花田真澄が少なくとも金二〇万円の葬儀費用の出捐を余儀なくされたであろうことは、社会通念上これを肯認でき、右金額は本件事故による損害と見るのが相当である。
4 過失相殺
以上によると、原告花田真澄の損害合計額は金六三七万六四七六円であり、同花田幸子のそれは金六一七万六四七六円であるが、被害者には本件事故の発生について前記認定の程度の過失が認められるので、各原告の右損害額から六割を削減するのが相当である。
5 損害の填補
原告らが本件事故による損害賠償として自賠責保険から各自二〇〇万円の支払を受けたことは当事者間に争いがないので、右過失相殺後の損害額から各二〇〇万円を差引くと、原告花田真澄の損害残額は金五五万〇五九〇円、同花田幸子のそれは金四七万〇五九〇円となる。
6 弁護士費用
本件訴訟の内容及びその結果等を考慮すると、被告の負担に帰すべき弁護士費用の額は各原告について金五万円が相当である。
7 そうすると、結局原告花田真澄の損害額は金六〇万〇五九〇円、同花田幸子のそれは金五二万〇五九〇円となる。
五 以上の次第であつて、原告らの本訴請求は、被告に対し原告花田真澄が金六〇万〇五九〇円及び内金五五万〇五九〇円については本件事故発生の日である昭和四六年一二月一三日から、残金五万円(弁護士費用分)については本判決言渡の日の翌日である昭和四九年一一月二〇日から各支払済まで民法所定年五分の割合による遅延損害金、同花田幸子が金五二万〇五九〇円及び内金四七万〇五九〇円については右事故発生の日から、残金五万円(同)については右判決言渡日の翌日から各支払済まで同割合による遅延損害金の各支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担については民訴法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言については同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 権藤義臣 大石一宣 小林克美)
別表(一)
<省略>
別表(二)
<省略>